抗議デモをヤラナイカ？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　in　吉野家　後編

前回までのあらすじ

母親の身体の錬成に失敗した二人は、錬成の代償として、ＹＵＯは右腕と左足を、Ｋは身体の全てを失ってしまう。
ＹＵＯは、Ｋの身体を元に戻す為・・・
Ｋは、ＹＵＯの腕と足を取り戻す為・・・
それぞれの想いを胸に秘め、国家錬金術師になるための修行の旅に出たのである。



ＹＵＯ　　さてＫよ、これから実力行使に移行するわけだが、覚悟は出来ているかね

Ｋ　　実力行使って、暴力はあかんで！

ＹＵＯ　　愚か者め！　ただ暴力に訴えても、その先に待っているのは悲しい現実だけではないか！

Ｋ　　あくまで常識の範囲内での抗議活動やねんね

ＹＵＯ　　うむ、風下流の抗議を見せてやろうじゃないか！

Ｋ　　よっしゃ、さっそくアタック開始や！

こうして二人は、吉野家に対して風下流実力行使を行うため、再び店内へと足を踏み入れたのである

店員１・２　　　いらっしゃま・・・あ？・・・

ＹＵＯ　　たのも〜！！

Ｋ　　吉野家に対して抗議活動をしに来ました〜！！

ＹＵＯ　　なんか、一瞬「あ？」とか聞こえたなｗ

Ｋ　　僕らを脅威に感じてんのかもなｗｗ

ＹＵＯとＫが店に足を踏み入れたとたん、店内の客が一斉にこちらに注目する

Ｋ　　なぁＹＵＯ、なんか僕ら注目されてるなｗ

ＹＵＯ　　コレはコレで気持ち良いかもなｗｗ

店内の注目を浴びながら、二人は颯爽と中央のテーブルに陣取る

店員１　　いらっしゃいませ。　あの、牛丼は・・・

Ｋ　　牛丼は無いんやろ？

ＹＵＯ　　今から俺ら、「牛丼の無い吉野家、断固反対運動」させてもらいますわ

店員１　　は？・・・え！？

店員は、まるで二人の言っていることの意味がわからないとでも言うように、？？？を沢山浮かべている。　なぜか周りにいる客も、心なしか笑っているようだ

ＹＵＯ　　注文していい？

Ｋ　　腹減ったなぁ〜ｗ

店員１　　はい・・・

ＹＵＯ　　う〜ん、それじゃとりあえず玉！

Ｋ　　それじゃ僕はえ〜っと、玉で!!

店員１　　はい・・・

ＹＵＯ　　・・・・・

Ｋ　　・・・・・

店員１　　・・・あの、他には？

ＹＵＯ　　ほか？

Ｋ　　なんか食べもんあったっけ？

ＹＵＯ　　牛丼無かったらええわ

Ｋ　　それだけでいいよ

店員１　　・・・はい・・・

二人は何の前振りも無く抗議活動を始めてしまったため、店員は何が起こっっているのか把握しきれないようだ

ＹＵＯ　　なかなかの出だしやなｗ

Ｋ　　僕らの抗議活動の恐ろしさに、リアクションすら取れてないでｗｗ

奥に引き下がった店員の様子を、ＹＵＯはチラリと盗み見る

ＹＵＯ　　あははは、店員卵割ってるわｗ

Ｋ　　周りの客への威嚇も成功や

ＹＵＯ　　冷たい視線に感じんでもないけどな・・・

Ｋ　　僕らの推敲な活動がわかってないねんて

しばらくすると、店員が玉をもってやってきた

ＹＵＯ　　うむ、見事な玉や！

Ｋ　　僕はこいつに醤油入れたるわ！

ＹＵＯ　　おお、極悪やなぁｗ

Ｋ　　こんなん一気飲みや！

ＹＵＯ　　うんまい!!

Ｋ　　朝一の玉は最高やｗ

ＹＵＯ　　よっしゃ、続けていこか

Ｋ　　どんどんいこ！

ＹＵＯ　　すいませ〜ん

ＹＵＯが店員を呼ぶと、もう一人の店員が現れた

店員２　　はい？

ＹＵＯ　　追加注文いいですか？

店員２　　どうぞ

Ｋ　　玉２つ！

店員２　　はい・・・

ＹＵＯ　　・・・・・

Ｋ　　・・・・・

店員２　　・・・それだけですか？

ＹＵＯ　　ええ、それだけですがなにか？

店員２　　いえ、少々お待ちください・・・

店員は、また奥へと下がって行く

しばらくして、新たな玉がやってきた

店員２　　お待たせしました・・・

ＹＵＯ　　よっしゃ、ほんなら・・・

Ｋ　　どうせやから・・・

ＹＵＯ　　かんぱ〜いｗ

Ｋ　　かんぱ〜いｗｗ

景気付けに乾杯してみたり・・・ｗ

ＹＵＯ　　うん、七味入れてもうまいな！

Ｋ　　マイルドな口当たりもなかなか・・・

ＹＵＯ　　よっしゃ、次や！

Ｋ　　すいませ〜ん・・・

Ｋ　　もう一回醤油入れるわ

ＹＵＯ　　俺は七味と醤油で・・・

Ｋ　　うまいわ〜

ＹＵＯ　　最高！　どんどん進むわ！

ＹＵＯ　　うんま〜〜〜〜い！

Ｋ　　たんぱくし〜〜〜〜〜つ！

毎回おかしな台詞を叫びながら玉をすする二人の姿に、食事を終えたはずの客が、携帯で写真を撮ったり友達を呼んだりしはじめた

ＹＵＯ　　すいませ〜ん・・・

ＹＵＯ　　玉!!

Ｋ　　テンション上がってきた〜

Ｋ　　醤油＆七味!!

ＹＵＯ　　俺も!!

Ｋ　　流し込む!!

ＹＵＯ　　負けるか!!

ＹＵＯ　　通算１０杯め！

Ｋ　　そろそろキツイｗ

玉ばかりをかき込んでいたため、Ｋが本音をこぼしてしまう・・・

このとき二人は、すでに限界を向かえていたのだった

周りの客　　ええ〜！　もう終わりなんか・・・

周りから落胆の声が聞こえる・・・

ＹＵＯ　　す・・・すいません・・・

Ｋ　　おあいそ？

ＹＵＯ　　玉！　まとめて１０杯!!

周りの客　 おお〜〜〜〜〜〜!!

店員１　　は、はい・・・

ＹＵＯの無謀な注文に、店員が少し動揺した

ＹＵＯ　　玉ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ｯ!!

Ｋ　　喰ったら〜〜〜〜〜〜!!

あまりのキツさに、Ｋの喋り方までおかしくなる

周りからは、なぜか拍手ｗ

Ｋ　　４ついっぺんじゃ〜〜〜〜！

ＹＵＯ　　おお、その意気や！

Ｋ　　しかもカスタマイズ！

ＹＵＯ　　やべ〜〜ｗ

周りの客　　ああぁ〜〜〜〜〜！

ＹＵＯ　　キツイデフゥ・・・

Ｋ　　しゃ〜〜〜〜!!

ＹＵＯ　　ラスト６コ・・・

Ｋ　　うう〜〜〜・・・

この辺まで来ると、二人からは苦悶のうめきしか聞こえなくなってきた

ＹＵＯ　　紅しょうが投入ップァ！

Ｋ　　僕も入れりゅ・・・

Ｋ　　galalalalalala!!

ＹＵＯ　　gfaaaaaaaaaaaa!!

Ｋ　　むっふぁ〜！

ＹＵＯ　　おぶぇっふぁ〜！

二人が積み上げたそれは、まるでバビルの塔のようであった・・・

そして、ついにその時がやって来たのである

ＹＵＯ　　おぐぇ〜〜！！

Ｋ　　つ・・・、ついに最後の一つや・・・

ＹＵＯ　　おう・・・、心してアタックしてくれ・・・

Ｋ　　わかった！

Ｋ　　しゃ〜〜〜〜〜！

ＹＵＯ　　食いきった〜〜〜〜！

周りの客　　おお〜〜〜〜！（ぱちぱちぱち）

店員１・２　　すごい！（ぱちぱちぱち）

ＹＵＯ　　なんか、すごく盛り上がってるなｗ

Ｋ　　当初の目的を忘れてる気がせんでもないけどなｗｗ

異様な熱気に包まれた店内を見渡すと、いつの間に来たのか、若い人たちでいっぱいになっていた

ＹＵＯ　　よし、口直したのも！

Ｋ　　そやね！

周りの客　　あの、僕おごりますよｗ

ＹＵＯ　　マジで！

Ｋ　　ごちそうさまｗ

店員２　　何にします？

ＹＵＯ　　じゃあ、・・・・・

Ｋ　　・・・・・

全員　　・・・・・

ＹＵＯ　　え〜っと・・・、半熟卵かなｗｗ

Ｋ　　ええぇ〜〜〜〜〜！

ＹＵＯの一言で、吉野家の小さな店内は、明け方まで異様な盛り上がりをみせましたとさ・・・

たんぱく質の過剰摂取は死んじまうヨ♪



注意　　この実験に出てくる吉野家の店員さんとは、仲良くなりました。　きっと問題ないはずです・・・